home >ごみ問題に関するQ&A>家庭ごみの有料化についてQ1〜4

QandA家庭ごみの有料化についてのQ&A  

Q-1 家庭ごみの有料化ってどんなこと?
A-1  ごみの収集に手数料をかける仕組みです
       

環境省「一般廃棄物処理有料化の手引き」(2013.4改訂版 一般的には「家庭ごみ有料化ガイドライン」と呼ばれています)では、「市町村が一般廃棄物処理についての手数料を徴収する行為を指す。このため、例えば、手数料を上乗せせずに販売される一定の規格を有するごみ袋(指定袋)の使用を排出者に依頼する場合については、『有料化』に該当しない。」と説明しています。

広い意味では、粗大ごみの収集に限って手数料を徴収しているケース、引っ越しなどに伴う大量ごみの持ち込みについて手数料を徴収しているケースなども有料化に含まれます。しかし、近年大きなテーマになっているのは、「可燃ごみ」「燃えるごみ」「普通ごみ」などと呼ばれるごみの収集に手数料をかける仕組みです。この問題に焦点を絞るという意味では、東洋大学・山谷修作教授による「家庭系可燃ごみの定日収集処理について、市区町村に収入をもたらす従量制手数料を徴収すること」という定義がわかりやすいかも知れません。

なお、家庭ごみの有料化というと、有料化するまでは無料だったように受け取られかねませんが、もちろんそんなことはなく、それまでも市民から集めた税金を使ってごみを処理していたのです。税金で一律に処理していたのを、個別にごみ処理手数料を徴収する方式に改めることで、負担とサービスの関係を明確にするということです。

Q-2  なぜ有料化するの?
A-2  排出抑制や再生利用の推進、公平性の確保、住民の意識改革
       などがあげられます。

可燃ごみ等を有料化する主な目的は、次のようなものです。

①排出抑制や再生利用の推進…有料化によって、各家庭でごみ出しの費用負担を軽減しようとする動機付けが働き、廃棄物の排出抑制が期待できます。また、資源ごみの手数料を低額または無料にして、可燃ごみとして出すより資源として分別した方が得をする仕組みにすることで、分別の促進、資源回収量の増加が期待できます。

②公平性の確保…税金で一律にごみ処理をする方式だと、たくさんごみを出す人もごみ減量に努力している人も負担は同じということになり、ごみ減量に努めている人にとっては不公平感がつきまといます。「どっちにしても同じ額の税金を払うんだったら、ごみを減らしても意味がない」と、減量をあきらめてしまうことにもなりかねません。指定袋の料金にごみ処理手数料を上乗せすることで、ごみを2袋出す人は1袋の人に比べて2倍の負担になり、「ごみを出す量に応じた負担」という実質的公平性が図られます。

③住民の意識改革…前述のように、ごみ処理という行政サービスと処理費用の負担との関係性を明確にすることで、市民は「自分が出すごみの処理にも多額の費用がかかっているんだ」という事実を意識するようになり、官民一体でごみを減らそうという意識の共有化が期待できます。

④その他…廃棄物の発生抑制・再生利用の推進により、焼却処理量や最終処分量の減量が期待できます。また、手数料収入を分別・再生利用の推進や啓発に充てることで、循環型社会推進に向けた施策の充実が期待できます。

Q-3  有料化の方式にはどんなものがあるの?
A-3 現在は圧倒的に指定袋制のところが多くなっています。

有料の対象物を何にするかという点では、主に指定袋制とシール制がありますが、現在は圧倒的に指定袋制のところが多くなっています。
また、手数料のかけ方については、次のような方式があります。

①単純従量制=1枚目から有料で、何枚使っても1枚あたり単価は同じ。

②超過分有料制=一定枚数までは無料とし、それを使い切った場合は有料の指定袋やシールを購入する。

③累進従量制(二段階有料制)=1枚目から有料だが、一定枚数までは安く設定し、それを超えると単価が高くなる。

④定額制=世帯単位で毎月定額を徴収する。

Q-3  有料化の是非をめぐる論点にはどんなものがあるの?
A-3 主な論点と、それについての有料化反対論・賛成論を
       まとめました。

<論点1 有料化は地方自治法違反か?>

◎有料化反対論の概要

・地方自治法(227条)によれば、自治体は「特定の者のためにする」事務以外で手数料は徴収できない。手数料を徴収できる事務は、「一個人の利益または行為(作為、不作為)のため必要になったものであること」を要する。よって、自治体の義務的事務であり、不特定多数(自家処理できないごみが増えている現在では全住民)のための行政サービスである家庭ごみ収集について、手数料を取ることは法的裏付けがなく、ごみ有料化は地方自治法に違反する。

・藤沢市ごみ有料化訴訟の判決においても、有料化条例が地方自治法に照らして適法であるという明確な理由を示すことはできなかった。

◎有料化賛成論の概要

・中央環境審議会廃棄物リサイクル部会(2004年12月)で、環境省による次の見解が示されている。「ごみの排出者は、市町村によるごみ処理サービスの提供によって受益者となることから、地方自治法が規定する『特定の者』にあたると考えられる。すなわち、排出者(住民)は、市町村にごみ処理というサービスを要求し、それが結果として多数になっているにすぎない。」

・全国廃棄物・リサイクル主管課長会議での環境省・総務省の統一見解(2005年6月)として、次の考え方が示されている。「地方分権一括法では、手数料徴収に関する地方自治法の規定と重複する個別法令上の規定を原則削除するという法文上の整理を行ったに過ぎず、市町村が従来通りごみ処理手数料を徴収することが可能であることに変更はない。すなわち、有料指定袋制を定めた条例によってごみ処理手数料を徴収することは、法の規定に違反しない。」

<論点2 有料化は税金の二重取りか>

◎有料化反対論の概要

・家庭ごみの収集・運搬・処理は税負担で行われている。そのうえさらにごみ処理手数料を徴収するのは、税金の二重取りになる。手数料を徴収するのであれば、当該手数料で行うごみ処理に要する経費分は、住民税を還付するか軽減すべきである。

◎有料化賛成論の概要

・ごみ処理経費は、ごみ量が多くても少なくても同程度に発生する固定費がかなりの部分を占める。したがって、その部分を税金によって賄うことは合理性がある。一方、ごみの排出量によって経費が変動する要素もあり、その部分については排出量に応じた負担を求めることが合理的であり、実質的な負担の公平性を確保することにつながる。

<論点3 有料化は恒常的なごみ減量につながるか>

◎有料化反対論の概要

・ごみ量の増減は、景気動向や人口変動などに起因する部分が大きく、有料化によってごみ量が減ったことを示す明確なデータは乏しい。

・もし有料化がごみ減量に多少ともつながったとしても、それは一時的なものであり、月々1世帯あたり数百円の負担に市民はすぐ慣れるので、2~3年すればリバウンドが起こる。したがって、有料化によって恒常的なごみ減量を図ることはできない。

◎有料化賛成論の概要

・有料化後数年してからごみ量が増加した場合、それが有料化の反動なのか、それとも有料化しなくても増えていたのか(あるいは、有料化しなかったらもっと増えていたのか)は、判断することが極めて難しい。

・有料化の有無に関わらず、ごみ減量のためには継続的な市民啓発が不可欠である。

・以前は確かに有料化後のリバウンドが起こりやすかったが、それは手数料水準が安すぎたり、ごみ減量を促す受け皿を用意していなかったりといった理由による。現在は、各自治体がリバウンドしないような工夫を凝らしており、数年後も減量効果を維持している自治体が圧倒的に多い。

<論点4 有料化すると不法投棄が増えるか>

◎有料化反対論の概要

・水や電気はお金を払って手に入れる「正の財」である。一方ごみは、お金を払って引き取ってもらう「負の財」である。負の財は、出す量が少ないほど得をする(=払うお金が少なくて済む)ので、必然的に不法投棄を誘発する。

◎有料化賛成論の概要

・山谷教授が2008年に行った調査(全国のすべての市区が対象)によると、「有料化実施直後から現在までの不法投棄の状況」について、「ほとんど増加しなかった」が46%、「多少増加したがその後減少した」が20%、「かなり増加したがその後減少した」が8%であった。

・不法投棄防止看板の設置、パトロールの実施、不法投棄物の検査による不法投棄者の割り出し、監視カメラの設置、郵便局など外部団体との連携(協定締結)による通報促進など、さまざまな対策を継続することで不法投棄は減少する。

<論点5>

◎有料化反対論の概要

・有料化は、それまでごみとして出していたものをリサイクルに回すための動機付けにはなっても、発生抑制にはつながらない。

・有料化によって、ふくらみ続けていたごみ処理経費の軽減を図ることは、「本来ごみ処理経費は誰が負担すべきか」という本質論を有耶無耶にしてしまうものであり、結果として拡大生産者責任(EPR)の徹底に反対する産業界を利するだけになる。

◎有料化賛成論の概要

・有料化を実施したほとんどの自治体において、可燃ごみの量が減る(可燃ごみの一部が資源物に移行する)だけでなく、資源物も含めた家庭ごみ全体の減量効果が現れている。

・京都市民を対象に、有料化前後の買い物行動について調査した結果によると(2007年第18回廃棄物学会研究発表会講演論文集)、「野菜や果物は、ばら売り・皿売り等包装の少ないものを選ぶ」という設問に対して、有料化後は有料化前に比べて、「いつも実行している」が1.5%、「十分とはいえないが実行している」が3.8%、それぞれ増加している。

・「出口対策」としての家庭ごみ有料化と、「入り口対策」としてのEPRとは矛盾するものではなく、ごみゼロ社会の実現のためには両方の政策を併行して進めていくことが不可欠である。

*有料化の現状などについては、山谷修作教授が開設しているサイト「ごみ有料化情報」(http://www2.toyo.ac.jp/~yamaya/survey.html)をご参照ください。また有料化反対論については、熊本一規『日本の循環型社会づくりはどこが間違っているのか?』(合同出版 2009年)などをご参照ください。

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