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2010年までにごみゼロへ~ごみを資源に
アクションプラン2004-2007----キャンベラ市----

*この資料は、2004年にキャンベラ市が発表した「NO WASTE by2010 Turning waste into resources action plan 2004-2007」を、ごみ減量ネットワークの責任で翻訳した非公式なものです。あくまで参考程度としてお読みいただき、正確な内容については原文をご参照いただきますようお願いいたします。

1.ごみを資源に

はじめに

「2010年までにごみゼロ計画」は、オーストラリア首都特別地域(ACT)における廃棄物管理のための展望を示し未来への方向性を決めるために作られ、1996年に発表された。この計画は、企業や政府、地域社会の協力を通じ、持続可能な廃棄物管理をなしとげ、無駄のない社会を実現することを目標としている。
 望みは大きいが、キャンベラの社会の全ての分野が積極的に参加協力することによって、「2010年までにごみゼロ計画」は達成可能だと考えられている。この計画が成功するための重要な指標は、埋立処理のごみを減らし、ごみ処分が不要になるまでにすることにある。「ごみゼロ計画」は持続可能な資源管理活動のための枠組みとなり、ごみの出ない社会を目指して広範な活動を記載している。

ごみの傾向

1996年に「ごみゼロ計画」が発表されてから、埋立地に捨てられるごみは次第に減少し、資源回収水準が著しく上がってきている。「ごみゼロ計画」が推進された2002/03年度には、ACT地区は資源回収率69%を達成した(図1参照)。この結果は資源回収率を上げることにおいて相当な成功であることを示している。
(図1)図-1

 この計画が実施され、2002/03年度で全てのごみから69%の資源回収という結果をもたらした一方、総トン数と一人当たりの量という点からみると、ごみ発生もまた上昇している(図2、3参照)。「ごみゼロ計画」導入前の1995/96年度は、43万6,500トン、一人当たり1.3トンのごみがACT地区から生じていた。このうち18万4,000トンは資源回収された。2002/03年度ではごみの67万3,000トン以上が、つまり一人当たり1.95トンがACT地区から生じ、このうち46万7,000トンが回収されている。
(図2)

図-2

(図3) 

図-3

 資源回収の大きな改善がなければ、埋立処理を行うための空間はすでに使い果たし、今ごろ私たちは費用の増加と埋立地探しで大変な思いをしていただろう。今、「ごみゼロ計画」はスケジュールに関しては中間点をすぎ、資源のリサイクルに関しても50%以上を達成している。しかし、この計画が、「ごみゼロ」を成し遂げるに必要な努力という点では大きく半分を下回っている。もし、ACTが国際的に主導的立場を維持すのであれば、「ごみゼロ」のゴールを目指してさらなる努力が必要である。
 2002/03年度に埋立地に処理されたごみ20万7000トンのうち、約8万2,000トンはACT地区とクインビヤンの家庭内から生じ、このうち6万トンはACTとクインビヤンで回収車によって集められたものである。また、およそ14万7,000トンは業務ユーザーと個人ユーザー両方によって埋立地に運ばれている(図4参照)。商業部門から生じ直接埋立地に運ばれるごみに対しては、家庭でごみを集めるのとは異なる種類の管理戦略が必要である。
(図4) 

図-4

 下の図5は、2002/03年度に直接埋立地に運ばれた14万7,000トンのごみの内訳を示している。これらの物質の多くは、すでに再利用可能な代替物があるか、もしくはすぐに代替物が利用可能になるものである。それゆえ、それら物質の多くを埋立ではない方に向けるには、代替物を利用できるよう支援したり、転用をすすめる奨励策や規則が必要となっている。
(図5) 

2.「ごみを資源へ」計画

「ごみゼロ計画」を進展させるためには、2004年から2007年までに多くの重要な先導的取り組みが必要である。特に、GDPの成長とごみ量増加とのつながりを断つために、2つのアプローチが必要となる。産業界がごみの流れにモノを入れるのを変えさせるとともに、モノが出ていく出口での解決策が必要なのである。
 埋立地に行くごみの量の削減と資源回収の最大化のためには、廃棄処理の代替案の開発、適正なごみ処理課金、規制法の整備などが必要である。「ごみゼロ計画」は環境保全型資源管理のための枠組みを確立し、ごみのない社会を達成するために必要な広範な活動を確認した。
以下のような広範な分野で、2004年から2007年の間に「ごみゼロ計画」を進展させるために重要な先進的な活動が行われようとしている。
・地域社会の取り組み
・政府の主導
・産業界のごみゼロへの取り組み
・建設廃棄物
・インフラとサービス
・研究開発
・規制と奨励
・監視と再調査
また、ごみゼロを達成するための活動を進めるため、2007年のうちにさらなる再調査と計画立案が必要とされる。

(1)地域社会の取り組み

 「ごみゼロ計画」は、この計画がうまくいくためには、地域社会が受け入れ自ら取り組むべきものと認識することが極めて重要だとしている。計画を検討するにあたり地域社会が協議することは、本当に重要なことだ。実際、不要なモノは捨てるべきごみだという考えを、不要なモノとは回収されるべき資源だという考えに変えるような文化の転換を必要とするようなこの計画は、広範な地域社会の全面的協力なしでは成功できない。この文化の転換を成し遂げるにあたって、さらなる地域社会と教育に関わるプログラムは不可欠である。

賢くごみに取り組む学校(ウェイスト・ワイズ・スクール)

地域社会内で文化の転換をうまく成功させるのに最も重要な領域のひとつは、次世代への働きかけである。「ACTごみゼロ計画」は、ごみの最小限化の計画とその活動を教育課程に組み入れることを協力して行い、公立・私立学校と密接に連携し続けている。「賢くごみに取り組む学校」は、無駄とごみの側面から予防(リデュースとリユース)に力をいれている。この計画は、ごみ削減に努めるよう教職員生徒全員を巻き込んでいる。
 2003年に典型的な“灯台”校(モデル校)が設立され、この計画に着手した。この計画を効果的に進めるため、ある教員チームがごみ問題に取り組む学校の推進役として訓練を受け、参加校のために専門的支援をしている。さらに、「ごみ問題に取り組む助言委員会」が組織され、「学校のごみ計画」の実行を見守るようになった。これは、ACT地区の全ての学校がごみ問題に取り組むよう十分な支援を提供したいという意図によるものだ。
 「賢くごみに取り組む学校」計画に加え、「ACTごみゼロ計画」は、ごみ管理の仕組みと社会基盤に関して教育省と緊密な連携をとり、学校の費用負担を減らし再利用可能なものの回収を最大化するように努めたい。

ごみゼロ賞(ノー・ウェイスト・アワーズ)

ごみ削減を達成した者は広く社会に認知されるべきだし、さらに励ましを受けるべきである。毎年度行われるごみゼロ賞は2004年に始まる予定だ。この賞は、ごみ削減の優秀な取り組みを表彰するもので、ACT地区において積極的にごみ削減に取り組んだ全ての企業、学校、地域の各種団体を対象とする。毎年、学校、企業、各種団体から推薦を受け報道機関を通じて広く告知されることになる。この賞は4つの部門から構成される。

公共イベントや公共施設でのリサイクル
 公共イベントでのリサイクルを広く呼び掛けて実行する際には、ACT地区における廃棄物管理策の一環として、何らかのリサイクルシステムを利用するようにしたい。これを促すため、「公共イベントにおけるリサイクルガイド」を発行し広く配布することで、公共イベントの主催者は積極的に実行できるようになるだろう。ACT政府の主催する全てのイベントは、公共イベント・リサイクルシステムを用意活用するよう義務づけられる。「ACTごみゼロ計画」事務局は大きな公共イベント主催者と連絡をとり、他のスポーツイベント、社会的イベントにおいてもリサイクルを促進する予定だ。
 カーブサイド収集(舗道脇ごみ収集)が混合回収に変わっているので、カーブサイド収集を反映した公共の場のリサイクルシステムは再検討のうえ次の段階に進むことになるだろう。

地域社会での取り組み

「日曜日の中古品」(セカンドハンド・サンデー)、堆肥づくり教室、公共イベントでの展示のような地域社会の既存の取り組みは、今後も続行され、さらに拡大していくだろう。これらの取り組みに関する年次報告も引き続き出されていく。表彰制度は地域社会の全ての部門が対象になるよう発展していく予定だ。この表彰制度を通じて廃棄物削減活動が広く知れ渡れば、常時、告知宣伝活動をしていくことにつながるだろう。
 恒常的施設「ごみゼロ教育センター」の設立は、地元での廃棄物管理教育の普及を目指してヒューム資源回収団地で進められる。ヒューム団地における教育センターと併設することで、「ごみゼロ教育センター」がヒューム団地の運営管理に役立つばかりではなく、地元地域とヒューム団地のテナントにも現行の廃棄物教育の機会を与えることにもなる。恒常的施設「ごみゼロ教育センター」の設立は「ごみゼロ計画」の画期的な出来事となるだろうし、そうなるように進められるだろう。

(2)政府のリーダーシップ

 「ごみゼロ計画」はキャンベラの地域コミュニティがしっかりと参加しないかぎりうまくいかないし、ACT政府は強いリーダーシップを発揮して広くこの計画が共有されるよう働きかけ、オーストラリア全体、民間企業、様々な自治体・地域社会も取り組めるようにしなければならない。

政府のリーダーシップ

「ACTごみゼロ計画」は他の省庁ともっと密接に連携した上でリーダーシップを発揮し、リサイクル、廃棄物最小限化、回収資源の利用などの実用例を大規模事業や新規の委託事業などにおいて示すことになるだろう。ACT政府機関が必ずやリーダーになり模範になるような「政府リーダーシップ計画」のもと、ACT政府は本計画を支援することになるだろう。これには以下のようなものを含んでいる。
・各省庁を代表して事に当たるようなグループと上級職とを指名しACT政府リーダーシップ委員会を創設する。
・全ての省庁は2004/05年度の末までに自分の部局で効率的な廃棄物最小限化策とリサイクル策を持ち、政府全体としては、各省庁の取り組みを支援するようなリサイクル事業委託の枠組みを作るべきでである。
・全省庁は、達成目標とその達成度に関する年次報告を含む行動計画を策定し、政府リーダーシップ委員会の承認を受けるべきである。
 上記で述べたように、公共の場や公共イベントでのリサイクルは、以下の考えに基づいて実行されるべきである。つまり、ACT地区の全ての主要な公共イベントは廃棄物管理の一環としてリサイクルシステムを活用すべきだし、ACT地区の公的イベントも全てリサイクルシステムを利用すべきである。

購買政策

回収資源をめぐる市場がない限りリサイクルは長続きしない。購買政策は再検討が必要で、適切な政策の導入により、価格と性能が同等である場合はリサイクル製品が選ばれ、リサイクル製品の使用を阻害しているものは排除されるようにしなければならない。それができたら次に、オーストラリア全体の省庁や主要な機関など他の分野でもこのような政策をとるよう働きかけることが望ましい。

全国的な廃棄物問題

産業廃棄物削減協定により、モノがごみ処理の流れの中に入って行く前にACT政府が何らかの影響力を持てるようになった。このことは、環境相諮問委員会を通して国家的合意事項として追求されている。その一例は全国包装誓約である。これは役所と包装容器関連業者全体との自主的覚書である。その他の全国規模の廃棄物関連覚書の対象として検討されているのは、家電ごみ、タイヤ、廃自動車である。ACTは、環境相諮問委員会の下で設立された全国廃棄物ワーキンググループをとおして、これらとその他のごみ問題に関して積極的に取り組んでいくだろう。

(3)事業系廃棄物

 事業系廃棄物は、その廃棄課金がかなり大きくなっているにも関わらず毎年増大し続けている。この傾向を逆転すべく、「企業の廃棄物削減目標」を作って民間企業に働きかけ、廃棄物を減らしリサイクル物資を利用するよう促すべきである。そのためには以下の点が肝要である。
・民間のリサイクル収集活動の定着を図る
・分別ごみと未分別ごみとで課金額が異なるよう段階的に実行する
・環境ビジネス表彰制度、ごみゼロ表彰制度などの教育プログラムの取り組み
・民間企業助言・支援サービスの確立
・ヒューム資源回収団地(HRRE)内でのリサイクルビジネスの確立
・ヒューム資源回収団地内における企業からの混合廃棄物分別施設設置の促進

環境ビジネス

環境ビジネスのプログラムは今後もさらに洗練され、企業の環境パフォーマンスが上がるようにACT地区の企業に提供されるだろう。さらに、地元企業が戦略的に環境管理ができるようなワークショップの開催以上の存在となっていくだろう。そこに新たな要素として含むのは、広範なビジネス分野における事例研究であり、それぞれのビジネス分野でうまく使えるよう事例を明確にしていくものだ。企業の参加が広く認知され促進されるよう、表彰制度も整備されるだろう。このような取り組みをとおして健全な環境管理を行えば、節約もでき利益も増えることがよくわかるようになるだろう。「ACTごみゼロ」事務局は産業界や役所の部局と連携をとってこのような前向きな結果を出そうとしているのだ。
 環境ビジネスワークショップはこれまで、環境管理計画がうまく進むような啓蒙・促進活動を中心としてきた。ワークショップは今後、環境管理計画の準備に資するよう企業を支援しているかという観点で評価され、そこに焦点を合わせていくことになるだろう。その活動は、大規模に廃棄する特定の業者が廃棄物投棄の削減指標をはっきりさせるように実施されていくことだろう。
 もし民間企業がごみ削減に大きく寄与できなかった場合には、2007年に廃棄物規制法が作られ、この分野でより良い廃棄物管理の必要性を強調し、望ましい結果に至るよう仕向けられるだろう。

(4)建設関連の廃棄物

 建設関連の廃棄物の80%は再利用可能なのに、その大部分は今も埋め立てに回されている。建設廃棄物プログラムは以下のものを含むことになるだろう。
・建設廃棄物分別施設(ヒューム資源回収団地にあるものも含む)の設立に資金提供したり、その操業を支援したりする事業分野の設立を容易にする。
・2006年までに、ピアリゴを含むいかなる場所にも未分別ごみの投棄は禁止という規則を導入することを提案する。
・回収資源への需要を掘り起こすような市場の形成を追求する。
・この建設業界で環境ビジネス、ごみゼロ表彰制度、広報活動、環境ビジネスへの助言サポートなどを追求する。
・掘り起こされたバージン材料の廃棄施設は2007年までに設立される。

(5)社会インフラとサービス

 混合廃棄物の分別と回収を促すための処理施設の充実は、資源回収の最大化のため本当に不可欠である。資源回収の可能性を高める廃棄物管理インフラの整備と合理化は、ここまで大いに進展してきた。

資源回収施設

今後3年間でヒューム資源回収団地がさらに発展し、やがて経済的に自立できるようにと強調されることになるだろう。この施設で一連の環境ビジネスが立ち上がるよう提案されている。ビジネスの適用範囲としては、以下のようなものがある。
・関心表明/応札への要請
・「ACTごみゼロ計画」事務局への直接的接触
・「ACTごみゼロ計画」によって委託された特定産業の報告書から関連企業を明示すること(例:2002年7月のティンバーパレット報告書など)
・「ごみゼロ計画」の下で明らかになった目標廃棄物の処理の流れをうまく対処する業者の誘致
・パークウッドリサイクル団地の成功したテナント
・ビジネスACTなどその他の手法
 この団地での業者の共存は、ある業者のアウトプット(排出)あるいは副産物が他の業者のインプット(原材料の取り込み)になるような共同の取り組みを通して大きな相乗効果生む可能性を秘めている。実行可能性の研究によれば、資源回収産業では大きなビジネスチャンスと雇用創出の可能性を秘めている。この施設は廃棄物を最小限化し、投資を促し地元に雇用を生み投棄を減少させるという重要な教育的役割も担うだろう。これは「ACTごみゼロ計画」がゴールに向かう大きな手助けとなる。
 ヒューム資源回収団地の第一段階として新しく「資源回収センターMaterials Recovery Facility (MRF)」が開設され、国内で回収された再利用可能なものの処理が始まった。MRFの委託事業として下水道、上水道、道路の敷設が進んでいる。首都開発計画のもと、対象地区が割り振られるにつれて、他の社会基盤も、大規模計画や下請け制度を利用して建設が進んでいる。
 建設・解体業の廃棄物回収を促進するため、建築業者の出す混合廃棄物を引き取り処理するビジネスをヒューム団地の中に設置する計画が進められている。この処理サービスとその確立にかかる費用は、選出された民間企業によって賄われる。廃棄物を出す者はあらかじめこの企業に直接、初期費用を払っておき、その企業はその資金を運用費と設置経費に充てるのだ。このような処理業者は、混合廃棄物の85~90%を分別し、再利用に回す能力を備えている。
 業務上出てくる混合廃棄物を分別する施設を、同じヒューム団地の中に作ろうという同じような動きも出ている。キャンベラの民間企業の廃棄物は、紙、段ボール、材木などすぐにでも再利用可能な廃棄物が高い割合で混じっている。新しい施設ができればこのような民間企業の廃棄物の40~50%を分別し再利用に回す能力を持つだろうと期待されている。

教育センター

ヒューム団地では恒久的施設としての「ごみゼロ教育センター」の設立も進められている。この教育センター用にとヒューム団地入口付近にすでに土地が用意されている。この教育センターは、十分に環境に配慮したデザインを施すべきだし、物の再利用、あるいはリサイクル物資の利用を奨励するものでなければならない。この教育センターはヒューム団地の中にあって多くの重要な役割を担うことになるだろう。それは以下のような業務を含んでいる。
・地域の教育プログラム、教育ツアーの実施
・(リサイクル物資の)市場開拓に向けた様々な取り組み
・世界中の同種のセンターと結び付くことで、廃棄物や再利用に関する情報を集積する図書館として機能すること
・廃棄物処理施設の管理業務の受託(そのような役割を求められるようにまで成長した場合)
・廃棄物処理・管理のプロの育成・国際的視察団の受け入れ
 環境産業に関わり、オーストラリア廃棄物管理協会(Waste Management Association of Australia; WMAA)やサウスイースト資源回収グループ(South East Resource Recovery Group; SERRG)などの州政府系組織とも関わりを持つことで、ATC地区(オーストラリア首都特別地域)とその周辺地域の廃棄物削減策を促すことになるだろう。

廃棄物処理施設での契約の改定

際限なく量が増加し続けている廃棄物資を分別し回収するよう契約業者を促すために、どんな機会をとらえるべきかを明示したほうが良いと思われる。当初これは、可能なら既存の契約のバリエーションとして扱われるべきとされていたが、ミッチェル資源管理センターとムーガレインランドフィルのために新規の契約が出てきたので、資源を回収し廃棄物を投棄しないよう適切に促すために、契約の要求内容を大きく変えるべきだとも言われている。

(6)研究・開発

 資材を最大限回収するための革新的な方策を生み出すことは、適正技術が現場できちんと使われているかを監視する技術の開発とともに、環境保全型廃棄物管理には重要な要素である。この分野で現在もっとも待ち望まれているのは、いろいろなものが混じった残留物の再処理技術である。

研究

 研究開発計画はさらに処理が難しい物質を対象として進んでいる。その多くは、廃棄物問題を国全体の課題として研究している地方と国の「廃棄物作業部会」のような取り組みと連携する形で進んでいくだろう。研究開発計画は新たな市場を生み出し、適正技術を現場で応用していくという重要な役割を果たしていく。
 その例の一つが、薪の代替物として植物性廃棄物から大気汚染物質を出さないブリケットを生産する技術の確立における、ACT政府の関与である。研究開発計画は、資源の回復を最大化する新しい解決法と同じく、持続可能な資源の回収に関わる新規市場を見つけ出し立ち上げ、伸ばし続けることが絶対に必要だ。

再処理技術

 2001年、関心表明(Expression of Interest: EOI *企業が公募プロジェクトなどの検討に名乗りをあげること)手続きの中で、混合残留廃棄物の再処理フローに使える技術の様々な組み合わせが明らかになった。このような技術とは、機械的分別、堆肥化から嫌気性消化処理までの生物学的処理、熱分解・ガス化・焼却などでグリーンエネルギーを生み出す熱処理などが含まれている。焼却処理は現在、社会的にオーストラリアでは受け入れられていないが、ほかの技術との組み合わせで混合残留廃棄物の再処理フローに使える技術があるだろうし、そのような技術はごみゼロに向けて大きく進展するには必要なものである。
 混合固体廃棄物(mixed solid waste: MSW)処理技術はオーストラリアで、また様々な国で急速に発達している。ここ数年でオーストラリアで確立された技術の一部は有望な結果を出している一方で、例えば、西オーストラリア州の混合固体廃棄物堆肥化施設やニューサウスウェールズ州のガス化施設のように期待通りの結果を出していないものも出ている。ポートスチーブンズ湾の混合固体廃棄物堆肥化施設のように非常に限られた価値しかないものを生み出しているところもある。
 2001年の関心表明手続きの後、産業界の発展をみると、オーストラリアや諸外国において、廃棄物処理施設には多くの技術的欠陥がまだあるようだった。特に懸念されるのは、処理施設から産出されたものの市場性だった。汚染問題がついて回るからだ。しかし、ヨーロッパのごみ処理技術に関する最近の視察によれば、このような課題は適切な技術の組み合わせによって大いに克服される可能性がある。
 ヨーロッパの視察により、ごみの前処理工程あるいは後処理工程に追加して使うことで完成品から多くの汚染物質を除去するような技術があることが判明した。その技術の一つはドイツで高品質の堆肥を生み出していたもので、現在、シドニーのイースタンクリークにおいて集積技術として確立されようとしている。イースタンクリークの工場は2004年後半に操業開始と予想されており、そこではオーストラリアのいくつかの技術を緊密にモニタリングできるようになっている。
 「ACTごみゼロ計画」は、オーストラリア国内外の代替ごみ処理技術の発達を注意深く見守っている。その技術が十分に確立されたとみなしうるところまで来た時には、RFT(入札願書)公示に進む認可を求めることになる。RFTに続き、その次の手続きに進むべく政府に認可を求めることになる。そうしておけば、その時期が来た時ACT政府がある技術について決定を下す際には、十分な情報に基づいてなされ、選択の対象となる技術は検証がすんでおり妥当な結果を生むことにつながるだろう。
 ヒューム資源回収団地の3.5ヘクタールの施設は将来の混合固形廃棄物の再処理施設の候補となっている。この再処理施設はやがてヒューム資源回収団地の中心的施設になる予定だ。現在は埋め立てに使われている混合残留廃棄物を、資源の有効利用の流れの中に組み入れることになるからだ。さらにヒューム資源回収団地のさまざまな事業者から出る廃棄物をもとに、それを製品として送り出す一連の流れを作りだすことにもなる。

(7)規制と奨励

 「ごみゼロ戦略」において、ごみの排出を避けあるいは排出を少なくし、GDPとごみ排出量が連動することを断ち切るためには、ごみの少ない生産と「賢い消費」とが原則的に必要になる。将来において、ごみの削減にかかわる合意事項に関しては、国レベル、地方の産業レベル両方でみることが必要だ。かなり厄介な、あるいは規模が大きいために、自主的な取り組では所期の目的に達しないようなごみ処理問題がいくつかあるからだ。

ごみへの課金

ACTのごみ課金方針は、ごみ排出者は実際のごみ処理費用を負担すべきだし、ごみ処理費を減らすような奨励策をとるべきだという原則を反映している。ごみ排出業者には、不法投棄をしにくくし、埋め立て以外の実行可能な他の方法を提供したうえで、ごみへの課金をするような方法が実行されるべきである。
 州を越えて活動している企業がACT地区にごみを投棄しないようにし、各自治体は真に自分の分だけごみ処理費用を負担しACT地区の納税者がそれを肩代わりしないで済むような形に、ごみ課金は調整されるべきである。また、ACT政府は一連のごみ処理において、特定の資材に対しもっと戦略的になるべきである。たとえば、より多くの自治体に向かって、リサイクル可能な材料とごみとを厳正に分ける努力をしないならば、望ましい結果を得るために別の料金を課したり別の規制法を適用する、と示唆することは効果的であろう。
 資源の回収がさらに魅力的になるような課金システムが必要だ。また、資源の回収を促進するように、段ボールや植物性の廃棄物のようなリサイクルしやすいものには別種の課金が必要という考えも取るべきだ。ごみ課金方針の導入については、温室効果ガス排出に最も関わるもの、リサイクルしやすいもの、埋め立て処理以外では問題を引き起こしてしまうものなどについて、それぞれ異なる課金をするなど、さらに調整が必要だろう。

開発規制コード

ビル建設や解体から出る廃棄物は埋め立てごみの大きな部分を占めている。1999年、「ACT廃棄物管理のための開発規制コード」が公表された。この規則は建設業者に解体、改築、建設の際に善良な行動をとるため廃棄物管理にどのように十分に配慮すべきかの指針を示している。この規則は、1998年廃棄物管理建設法での定めを建設計画の中に含めるよう求めている。
 この規則の導入以来、「ACTごみゼロ計画」事務局はごみ管理に関して査察を実施し、解体業者が、提出し許可された廃棄物処理計画通りにやっているかどうかを見てきた。その結果、この分野ではさらに検討が必要なことが明確になった。しかし、要求を強制する権能がないために、この規則の効力は今のところ限定的になっている。さらに、この規則を強制するのは解体業者のみが対象で建設業者には適用されていないのだ。
 この規則のさらに効果的な運用が必要なのは明らかだが、対象を建設分野に広げるのも必要なことだ。開発規制コードは適切かつ効果的に運用されるように再検討が必要であり、改正規制法が導入されるべきだろう。規制法がさらに実効性を持つためには、2001年廃棄物最小限化法の下で建設・解体業者の廃棄物に関わる規則が作られねばならない。さらに、改正法を順守しているのかを見る今の査察も実施されるべきだろう。

(8)監視と再検討

 1997年の調査結果は貴重な基礎資料となっている一方、1997年以降、廃棄物の埋め立ては減少し資源回収は大きく進展してきた。これはおそらく一連の廃棄物処理の流れの中身に変化が生じているのであろう。そのため1997年の調査から使われている統計数値は、将来の計画を練る際に使うのに十分に正確だとは言い難いということになってきている。
 さらなる調査がなされ、もっと正確で廃棄物処理の流れを示す最新のデータを提供することで、過去の目標を評価し、比較を可能にし、次の基礎データとなり、ACT政府が廃棄物削減目標をどう決めるかに資するようにすべきであろう。2007年、ごみゼロに向けて前進するために、さらなる検証と計画立案が必要である。

3.結論

 1996年の導入以降、ごみゼロ計画により、埋め立て処理が大いに減少しリサイクルされるものの量もかなり大きくなってきた。「2010年までにごみゼロ」は野心的な目標だが、キャンベラの全ての分野の人々の強い意志と協力と参加があれば達成可能だ。この計画を継続的に実行していけば、ACT政府が環境保全型資源管理において世界の先頭を行くことが可能になるのである。

 

■参考文献
ACT Department of Urban Services (1996) No Waste by 2010 - A waste management strategy for Canberra
ACT NOWaste, ACT Department of Urban Services (March 2000) The Next Step in the No Waste Strategy.
ACT Waste, ACT Department of Urban Services (June 1997) ACT Waste Inventory.
ACT Waste, ACT Department of Urban Services (1999) Development Control Code for Best Practice Waste Management in the ACT
Morris Consultants, Synectics Creative Collaboration (1999) Pre-feasibility Study for the National Resource Recovery Estate
Morris Consultants, Synectics Creative Collaboration (1999) Preliminary Business Plan for the National No Waste Education Centre
RPM Pty. Ltd, Kenney Lin & Associates and Energy Strategies Pty. Ltd, (January 2001), The Actual Costs of Waste Disposal in the ACT.
URS Australia, (November 2002), Environmental/Social/Economic Review of the ACT Strategy.
July 2004 14 of 14
PRINTED ON RECYCLED PAPER © Australian Capital Territory, Canberra 2004.Published by the Authority of the ACT Government Printer 04/1267

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